フレデリック・カッセル 2019年の新作ショコラ「デクヴェルト」
フレデリック・カッセルはフランス・パリ郊外フォンテーヌブローに本店があるパティスリーです。ヨーロッパを中心に世界の名だたるパティシエ達で構成される「ルレ・デセール」の会長を長年にわたり務め、2018年に名誉会長に就任しました。日本には銀座三越に店舗があります。
今回は今年のバレンタインに発表された新作をご紹介します。
デクヴェルト
フランス語で「発見」を意味するデクヴェルト。全てのボンボンショコラはドミニカ産のカカオ豆を使用したチョコレートで作られています。
カッセル氏がライフワークとする“カカオ・フォレスト”という良質なカカオを未来へ繋がる活動を通して改めて見つけたこと、チョコレートの未来、生産地ドミニカで出会ったカカオや人々への思いが込められた新作です。
落ち着いたグリーンのボックスには、カカオの実やパッションフルーツが描かれています。
ボンボンショコラにもカカオの実とカカオパルプ(カカオの果肉)の柄が入っていて、カカオマニアは心をくすぐられること間違いなしです。
(左) タイノリ 〈カカオ64%〉
フレッシュなレモンを思わせる酸味と深煎りコーヒーのような香ばしさとほろ苦さ。バニラの香りがまろやかさをプラスします。すっきりとした後味。
(中央) ロマ・ソタヴェント 〈カカオ64%〉
柿やぶどうなど、秋のフルーツを思い起こすフルーツの風味とほんのりトーストのような香り。静かな苦みの余韻が長く続きます。
(右) デクヴェルト 〈カカオ66%〉
カッセル氏オリジナルのチョコレート・デクヴェルトを使用。ひと口目はバナナ。だんだんとドライアプリコットのような柔らかい酸味が顔を出します。ほんのりハーブのような香りを感じ、後味はすっきりとしています。
(左) デクヴェルト・パッション 〈カカオ66%×パッションフルーツ〉
ガナッシュが舌に触れると弾けるようなパッションフルーツの酸味が!デクヴェルト自体のバナナのような風味と相まって、トロピカルなムード。
(中央) バイベ 〈カカオ46%〉
こくのあるミルクチョコレートガナッシュは、柔らかな酸味とプラリネのようなナッツの香りが特徴的。ミルクの余韻が心地よいです。
(右) バイベ・マングー 〈カカオ46%×マンゴー〉
なめらかなガナッシュはマンゴー果肉そのものを食べているようなジューシーさ。バイベとマンゴーがこれ程までに一体化するとは、驚きです。
シンプルなビターガナッシュと、それらと相性の良いフルーツを使用したガナッシュを食べ比べられるのはなかなかない機会でとても興味深かったです。こだわりのある方へのプレゼントにも喜ばれそうですね。
落ち着いた雰囲気がお好きな女性へのホワイトデーの贈り物にもおすすめです。