ブノワ・ニアン カカオ豆から作られるオートクチュールショコラ
ベルギーのブノワ・ニアンは、元製鉄メーカーのエンジニアという経歴を持つショコラティエです。30歳でショコラティエに転身。自らをカカオフェヴィエ(カカオの職人)と呼び、全てのチョコレートをカカオ豆の選定・焙煎から自社工房で一貫して作っています。
日本には店舗がなく、バレンタインシーズンのみ購入することができます。ビーントゥバーの隆盛と相まって、年々着実にファンが増えている印象です。
私もそんなブノワ・ニアン氏のチョコレートに魅せられている1人で、今年も欠かすことなく購入しました。
オートクチュールショコラ 10個入りはガナッシュ、プラリネ、キャラメルを使ったボンボンショコラが楽しめる2段重ねのボックスです。
1 Red Heart
赤いハート型のビターチョコレートは中にセミリキッドキャラメル入り。とろけだすキャラメルはパッションフルーツとフラワーティーの風味。コーティングのチョコレートはドミニカ産カカオを使用、きれいな口溶けが印象的です。パッションフルーツのきゅんとする酸味と花々の可憐な香りで瞬く間に恋に落ちそうな1粒です。
2 Pink Heart
ピンクのハート型のビターチョコレートにはローストしたココナッツを使用したプラリネがたっぷり詰まっています。かつてないザクザクと粗い食感がひたすら楽しく、ココナッツの香りと甘みも相まって見た目通り明るくハッピーな雰囲気。
3 Vanilla
ブルボンバニラとカカオ豆、共にマダガスカル産のものを組み合わせています。明るい色のガナッシュは上質なバニラアイスクリームのように豊かな風味。カカオとバニラそれぞれの華やかな香りが楽しめます。余韻はキャラメルのよう。
4 Strawberry & Sichuan Pepper
ストロベリーのパート・ド・フリュイと華北山椒(花椒)入りのエクアドル産カカオを使用したガナッシュが層になっています。ストロベリーの凝縮された甘みとガナッシュのフルーティーな風味の奥底に、花椒のピリピリと痺れるような感覚。
5 Coffee & Star Anise
マダガスカル産カカオを使用したガナッシュに、焙煎したコーヒーと八角がアクセントになっています。深煎りコーヒーを思わせる風味に甘くエキゾチックな八角が奥行きを与え、結果的にベースとなっているマダガスカル産カカオ特有のフルーティーさを感じさせます。
6 Baracoa
キューバ産(バラコア)カカオを使用したガナッシュはキューバを象徴する葉巻を連想するスモーキーな香り。余韻はコーヒーのような苦みがあります。すもものような酸味もあり、さまざまな表情を見せる1粒です。
7 Pear & Cardamom
洋梨を使用した自家製フルーツジェリーとカルダモン香るドミニカ産カカオのガナッシュが層になっています。洋梨の甘みはより濃度を増し、さわやかなカルダモンの香りとのバランスが素晴らしいです。
8 Four Spices & Crispy Praline
アニス、シナモン、カルダモン、コリアンダー、ナツメグ、クローブ、ジンジャーといったスパイスが香るクリスピーなプラリネはサクサクとした食感と香ばしさが楽しめます。プラリネのまろやかな甘みとスパイスが上品に香り、ドミニカ産カカオが大人っぽくまとめています。
9 San Josè de Bocay
ニカラグア産カカオのガナッシュはスモーキーな香りとプラムの風味で梅酒のような第一印象。その後まろやかな渋みが感じられ軽やかな赤ワインを連想させます。
10 Muscovado Praline
モーリシャス産のマスコバド糖を使用したヘーゼルナッツのプラリネ。マスコバド糖とは、サトウキビの搾り汁を煮詰めただけで作られる栄養価の高い黒糖です。キャラメルのようにこくのある風味とこれまでのプラリネに比べ繊細な食感、ヘーゼルナッツそのものを活かした香りが特徴的です。
シンプルにカカオを味わうものから、フルーツやナッツの風味を前面に出したものまでバラエティに富んだボンボンショコラ。カカオ豆それぞれの特徴を生かし、さまざまな素材とかけ合わせる様はまさにカカオ職人!と納得するクオリティの高さでした。
チョコレート好きの方でまだ食べたことがない!という方にはぜひお試しいただきたい、おすすめのショコラティエです。