【サロン・デュ・ショコラ2018】フィリップ・ベル氏セミナーに参加しました

チョコレートの祭典サロン・デュ・ショコラが今年も開催中!

今年で16回目となるパリ発チョコレートの祭典サロン・デュ・ショコラ。初回から毎年参加しています。

15周年である昨年は会場を国際フォーラムへ移しましたが、今回はおなじみの新宿NSビルで開催されています。

 

M.O.F.ショコラティエ フィリップ・ベル氏のトークセミナー

サロン・デュ・ショコラの常連フィリップ・ベル氏。2003年に日本の人間国宝にあたるM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)の称号を取得しています。

キャラメルセミリキッドショコラというとろりとしたキャラメルが入った丸い形のチョコレートに出会ってから、すっかりキャラメルとチョコレートの組み合わせにはまってしまいました。いつも新しい、美味しい提案をしているブランドです。

 

ベル氏自らベネズエラのカカオ生産地へ

 今回のセミナーはベネズエラのカカオ生産地への旅について、スライドを見ながらトークが進んでいきました。

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カカオ豆の生産地であるベネズエラ。さまざまなブランドからベネズエラ産のカカオ豆を使用したチョコレートが販売されています。

自生するカカオの樹や花の写真から、カカオの収穫から加工にまつわる写真、その旅の充実感が伝わってきます。

たまに奥様とのお写真が入ってくるあたり、さすが愛妻家のベル氏です。

 

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こちらはクリオロ種ポルセラーナのカカオの写真です。他のカカオと比べると丸みのある形をしていて傷があり見た目が悪いのですが、中には真っ白で肉厚なカカオ豆が入っています。

 

カカオ生産者の生活とベル氏の真摯な姿勢

カカオ生産者の生活についても何度か触れ、とても優秀な生産者の方のアイディアで高地で収穫したカカオ豆を四輪駆動車で運ぶようになってから、カカオ豆の収穫に携わる家族が200家族から800家族に増えたこと、ベネズエラは都会でも食べ物を買うのに困るような経済状況でカカオ生産者の方々も我々の想像を絶するような生活を送っていること…

カラカスでは無料でデモンストレーションを行ったところ、使い捨ての容器や紙類まで全てが持ち帰られたそうです。

 

ベル氏はカカオの収穫にまつわる作業を実際に行い、よく働いてきたよ、と笑顔でお話していました。遠く離れたフランスからベネズエラに来て、カカオの生産を手伝えたことが大変心に残っているとおっしゃって、

「チョコレートのお父さんだから、(その赤ちゃんのカカオ豆を)一生懸命お世話した」

その言葉にチョコレートへの愛情を感じ、この方のクリエイションはこれからも信頼できると心から思いました。

30年ショコラティエをしていて、日本のファンの人々やベネズエラでチョコレートの赤ちゃん(カカオ)を作る人々に出会い、アフリカなども含めさまざまな場所に行けるのが幸せに感じるとのことです。

 

新作ボンボンショコラの試食

最後に新作のボンボンショコラの試食がありました。

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上から順番に、ベル氏の解説と共にいただきます!

 

カジュリュリー

冒険=アヴァンチュールというセレクションBOXに入っているこちら。ミルクチョコレートにジャンドゥーヤ、マドラスカレーのパウダーを使用したカレー味のボンボンショコラです。

まろやかでコクのあるミルクチョコレートの甘みとジャンドゥーヤの香ばしさにカレーのスパイシーな香りがよく合います!最後に感じる塩気がアクセントに。

味わいは全く違いますが、ココナッツミルク入りのマイルドなカレーのようなイメージで、美味しく感じられました。

 

 プラリネ・ヌガティーヌ

アーモンドとノワゼットのプラリネは60%がナッツ、40%が砂糖で作られています。
表面はヌガティーヌですが、作るのに手間がかかるのでフランスではヌガティーヌを使用したお菓子が減っているとのことです。
GOKAN=五感のセレクションBOXに入っているこちらは見た目がとにかく美しく、コーティングのチョコレートは鏡面仕上げのよう。ナッツの香り、ヌガティーヌとチョコレートの対比的な食感、そしてプラリネがとろけるようになめらかな舌触りでまさに五感を駆使して味わうボンボンショコラです。
ベル氏は「ヌガティーヌはカリッとしていないといけない!カリッとした食感を保つ門外不出の方法がある」とおっしゃってました。

 

 ガナッシュミエル

はちみつを使用したビターガナッシュでほんの少しタイムをきかせています。
栗の木ともみの木、2種類のはちみつが使われていて、ほんのりもみの木の香りが感じられます。タイムと合わさると深みを増し、相性抜群。ガナッシュはとてもなめらかで、タイムのすっきりとした香りと余韻が続きます。

 

チョコレートの温度に気をつけて!

ベル氏はチョコレートを食べる時の温度をとても大切にしていて、セミナー会場に着いてから試食のボンボンショコラが冷たいから早く並べてと指示したとおっしゃってました。

チョコレートが冷たい状態だとまず口の中で溶かす作業が必要になるので、口に入れた時に全体が溶けるような温度にしておくのが大事だそうです。実際、手で触るとすぐに溶けそうな温度で提供されました。チョコレートのアロマも温度が低いと感じられないので、せっかくならチョコレートのポテンシャルを最大限に感じられるようにいただきたいですね。

 

セミナーの感想

今までサロン・デュ・ショコラのセミナーは会場内で行われていましたが、今年は別会場で行われたためゆったり充実した時間を過ごせました。ショコラティエのお話をじっくり聞けるのはセミナーならではです。

カレーのボンボンショコラなど、気になっているけど買うのに勇気がいるチョコレートが試食できるのも嬉しいですね…!

来年もまたセミナーに申し込みたいと思います。ベルさん、素敵な時間をありがとうございました!

 

サロン・デュ・ショコラ日本公式サイト